紫陽花の涙

家に帰ってすぐ、
出勤の準備をして、
ヘアメイクへと向かう。

タクシーばっかり通る道路を横目に
ひたすら真っ直ぐ歩く。
十字路に差し掛かって、
左に曲がるとすぐにヘアメイクのお店がある。


ビルの2階まで階段で上がる。
お店の扉を開けると、あたしを担当してくれてる人がすぐに気がついてくれた。

「おはよ!
今日は随分早めだね!」

可愛らしい声と
金髪にピンク色のメッシュが入った
短髪のサバサバした見た目。
もう慣れたけど、最初は違和感しかなかった。

この人が
あたしの髪の毛をセットしてくれる
梁川(やながわ)さんだ。


スタイリッシュな見た目と
性格もサバサバしていて、
話しやすい人だ。


この人とはあまり飾らずに
接することが出来る。


仕事前の休息の時間。


早めに来てしまったのは、
今日起きた出来事を聞いて欲しかったからだ。