その日の放課後。
私は言われた通り、一人で裏庭にきた。
「…なに、されんだろ」
だいたいは検討つくけど。
蹴られて殴られるんだよ、きっと。
その時…
―ガサッ。
「だれ…!?」
「あっ…」
そこにいたのは―…。
「…真波。なんで…」
「わ、私は瞳に言われた通りにここに来ただけ…」
瞳に言われた通りに…?
瞳はなにがしたいの…?
「やーっと主役二人の登場ね」
「…瞳」
瞳と千尋と芙佳がきた。
瞳は手を叩きながらスタスタとこっちに歩いてくる。
そして、勢いよく真波の髪を引っ張った。
「きゃ…。な、なにするの…!?瞳…」
な、何してるの…!?
なんで急に真波にそんなことするのかが分からない。
「…ねぇ、莉子。真波のことどう思ってる?」
「…え」
「嫌い?好き?…んなわけないよねぇ?裏切られたんだから。んで、どうなの?」
『裏切られたんだから』
確かに私は真波に裏切られた。
―けど。
「嫌いじゃないよ…」
「…マジでぇ?やば、神経おかしいわコイツ」
…事実だし。
「じゃあ好きなわけぇ?」
「…ううん」
「…っ!?」
真波は私の『ううん』にだけ反応した。
そりゃ、この流れだと『うん』ってなるもんね。
驚くよね。
でも、私は真波のこと嫌いじゃないし好きでもない。

