陸島さんを遠くから見ていたら男の人も陸島さんの家へ。

「珠輝ちゃんの好きなアイス買ってきたよ。」

「まあ、ありがとう!」

「ちょっと待って!」

「何? さっきから、うるさいわね。」

「アイスクリームは、牛乳が入ってる。陸島さんは牛乳アレルギーですよね?」

「アイスクリームじゃないわよ! アイスまくらよ。私は年中暑がりだから。しつこい! あっち行け! 私は平井さんのこと知らないわよ! ほら、アイスまくらだよ。」

確かにアイスまくら。
でも陸島さんが落としたレシートには、バター、チーズ、牛乳。
すごいあやしい。

「あら、女の子の警察官!」

私今、私服ですけど。

「稲垣です。」

中学生男女双子のシングルマザー。借金をかかえている。

「その指輪……と腕時計、どうしたんですか?」

「これですか……貴金属・ジュエリーの店で買ったものです。」

「稲垣さん、借金はどうしたんですか?」

「えっ!」

あやしい。

「いや、これまた借金で。」

「借金は、いつ返すんですか?」

「思い出した。ジュエリーとかは近所の人で……名前知らない若い女性から。」

「もらったってことですか?」

「わかりません。」

超あやしい。

「私、これから子どものことで用事あるから……ごめんなさい。」

稲垣さんは去って行った。