「うん…その言葉だよ」

七海が応えると、和也の父親は、くしゃっと丸めたその紙をごみ箱に投げ捨て、そのまま話を続けた。

「これはな、あの髪の持ち主の名前だ。読み方は、知らない限りまず出てこないような読み方だ…お前達が知っていいのはこれだけだ。金輪際あの家の話はするな。近づくのもダメだ。わかったな?とりあえず今日はみんなうちに泊まってゆっくり休め」

そう言って席を立とうとした和也の父親に、僕は意を決したように訊いた。

「桃花はどうなったんですか?彼女はは何であんな…」

言い終わらない内に和也の父親が口を開いた。