…このクッションフカフカで気持ち良い。

「…ん?ワッ!」

形勢逆転とはこのことかもしれない。

「…起きたか、眠り姫」

気持ちの良い陽気に、私もいつの間にか眠ってしまっていて、先に目を覚ました三枝課長が、膝枕してくれていた。

「…す、すみません!」

私はガバッと起き上がり、頭を下げた。

「…いいんじゃない?おあいこだし」

そう言って、三枝課長はニコッと笑った。その笑顔の破壊力と言ったら…

イケメンの笑顔って凄い。私は一瞬で、赤面してしまった。

「…お、そろそろ昼の業務の時間だな。オフィスに帰るか。あ、コレやるよ」

「ワッ、ととっ」

数歩離れた所から、三枝課長が私に何かを投げた。

「…飴?」
「弁当のお礼…俺、甘党なんだよな。見かけによらないからヒミツな」

そう言うと、降りて行ってしまった。

「…いちごミルク」

本当、見かけによらないから、自然と笑みがこぼれた。