榎並さんは、顔面蒼白になる。

「…それが嫌なら、与えられた仕事は、ちゃんとこなして欲しいな」

「…はい。これからは…頑張ります」

その言葉は、嘘だってわかってる。また何かあれば、私に仕事を押し付ける。

「…始業の時間だよ」

三枝課長の言葉に、榎並さんは血相変えて、オフィスに戻って行った。

「…三枝課長、すみませんでした」

そう言って頭を下げる。

「…うん?そこは、すみませんでしたじゃなくて、ありがとうございますだと思うけど」

その言葉にハッと顔を上げる。

すると、三枝課長は優しく微笑み続ける。

「…はい、言い直して」
「…助けてくれて、ありがとうございました」

上目遣いにそう言えば、満足そうに頷いて、私の頭をポンポンと叩いたよ

「今日も頑張ろう」
「…はい」


そう返事をして笑顔を見せた。