「あっ」
私と、隣に住んでいる栄一くんが同時にこの言葉を出した。
そして、お互い笑いあった。
ベランダに出ていた、まだ小学生にもなってない私達は、静かに星空を見ていた。


そんな楽しい思い出は、次の日には悲しい思い出に変わっていった。
栄一くんが遠いところに転校していったのだ。
私は急な出来事に悲しくなり、1週間学校を休み、ずっと泣き続けた。
「どうして、どうして言ってくれなかったの。」
そんな私の気持ちは、当然にも栄一くんには届かず、1週間後にはちゃんと学校に通った。
そして、栄一くんとの思い出は、いつの間にか忘れて、今までの元気さを取り戻し、年が過ぎていった。

私は高校生になった。