「…モテるんだね…」

十分離れてから呟いた。なんだかまだ少し呆然としていたけど、でもなんだか少しむかっ腹が立つ。

「あぁ…ごめんな」

謝られてハッとする。顔に出てた。慌てていう。

「彰人が謝る要素あった?」

「だってうちのクラスの女子が」

「彰人が謝ることじゃないじゃない」

「まぁ…そうだな」


私はついさっきまで握られていた手を見つめた。きっと、とても冷たかっただろう。

「ねぇ彰人」

「ん?」

「……なんでもない」

「そうか」


言えるわけがない。

『私、死んでいるんだよ』

とか…