目をさますと、夕方だった。

幸菜は逝ってしまった–––

机の上に、あの約束の証のよつばが置いてあった。

『幸せになって』

そんな幸菜の声が聞こえてくるような気がした。



それが彼女の望みなら。


俺は今も幸菜のことをしっかり覚えている。

俺のために戻ってきてくれた彼女のこと、彼女と過ごした幼いころ、あの夏の思い出。

何があっても、忘れない–––