『どうしたの?』

『これ』

『わぁ!よつば!これどうしたの?』

『やるよ』

『ほんとに?いっしょう大切にするね!』

『あぁ…また会えるよな?』

『会いにいくもん』

『大きくなったら、迎えに行ってやる』

『うん…まってる』






あれから、数10年。

時の流れは早くて。

あのよつばの約束も果たせないまま。


「…気づいちゃったんだね」


あの約束は儚くて、夢のようで。

命も儚く、夢のようなもので。


「花岡幸菜は…交通事故で亡くなった…て…」


夢見た再会がこうなるなんて想像もしてなくて…


「嘘…だよな…?」


それこそ夢であればいいという願いも叶わなくて。


「…本当だよ」


目の前の辛そうに微笑む彼女は本当はいないなんて、信じられなかった。