電話帳を必死でめくって幸菜の実家の電話番号を調べてかけた。

『おかけになった電話は、現在使われておりません』


幸菜の学校の電話。

「花岡幸菜さんはそちらの学校に通っていますか?!」

『花岡さん…ですか?彼女は…』


幸菜の祖母。

「幸菜のおばあちゃん、お久しぶりです。笠原彰人です」

『あぁ…あきくんかい…もう一人前の喋り方だねぇ…』

「あの、幸菜って…」

『幸菜は…』


病院。

「もしもし…花岡幸菜さんについてお聞きしたいのですが…」

『どういった関係の方でしょうか』

「えっと…昔の…幼なじみで…笠原彰人と言います」

『あ…』

「…?」

『えっと…幸菜ちゃんが亡くなる前に…笠原彰人という人が私のことを聞いてきたら、教えてあげてくださいって…』