その後の旅は、順調に進んだ。

よく3人に間違えられたことを除けば。


「母さんがちっちゃくて見えなかったんじゃねーの?」

「何言ってるの!おばさんそこまでちっちゃくないよ!」

「150は十分チビじゃん」

「彰人生意気!153です!佑介なんとか言って!」

佑介というのは、俺の父の名だ。

「…小さいだろ…」

ちなみに父は180。

「おじさんってば!私の母さんもおばさんと一緒くらいだよ!」

「幸菜ちゃん怒るよ!春香160近くあるじゃない!」

春香というのが幸菜の母の名前。二人はとても仲良しだった。

「違うよ!158だよ」

「160じゃないの四捨五入したら!」



こんな感じで、3人と間違えられたのは母のせいということになった。