「俺は相羽さんを好きになっちゃいけなかったんだ。」
「何、それ…どうして?」
「しょうがない、か…。絵、描きながら話すよ。準備しよ?」
笑ってそう言われ、何も言えずにただ絵を描く準備を進める。
絵の具を使うため水を汲みに行っている美波くんの背中を見ても、何も分からない。
やがて、美波くんは戻ってきた。
「変更したいとこなんだけどさ…この男の子と女の子は何もしていないじゃん?」
「うん。」
「お互いがお互いに手を伸ばすようにしようかな、って思うんだけど…」
「あ!いいと思う!」
「よし、じゃあそうする。」
「私は何をすればいい?」
「じゃあ…俺は男の子と柵、それと夕日を描くから、相羽さんは女の子と夕日の周りの空の暗いところお願いしていい?」
「分かった」
「じゃあ、まず空塗っちゃおっか」
「うん。」
言われたところを塗るための色をパレットに出す。
その間に美波くんはとっくに準備を終え、色を塗り始めていた。

