そこには、何枚もにわたって、ある女の子の絵が描かれてあった。
スケッチブックに向かって絵を描いているところ、笑っているところ。
そして、夕日に見とれているところ…泣いているところ…
「これ、私……?」
恐る恐る聞いてみる。
すると美波くんは小さく「あ…」と呟いてこう言った。
「勝手に描いてごめんね。でも、この2週間描きたいと思えたのは、全部相羽さんだったんだ」
あんまり見ないで、と照れくさそうに美波くんは笑った。
そんなの、ずるいよ……
ダメなのに、期待しちゃうじゃんか…
「美波くんは私のこと…どう思ってるの?」

