「美波くん!いや〜今日は天気がいいね!あ、今日の朝、白くて可愛い猫見たんだよ!何かいいことありそう…」
「相羽さん。」
「あ、今日の補習でさ、古典の先生が…」
「相羽さん、落ち着いて。」
「あ、えっと…ごめん」
うわ〜バカだ…
こんなんじゃ余計気まづくなってしまう…
前のことを意識しているのバレバレじゃんか。
でも、それと部活は関係ない。
大会前にも関わらずこんなに休んでしまったこと……ちゃんと謝らないといけない。
「美波くん…部活、たくさん休んでしまって、ごめんなさい。」
「…うん。」
「…」
顔は自然と下を向く。
「でも、相羽さんは来てくれたよ」
いくらかの沈黙の後聞こえたその声に、パッと頭を上げる。
美波くんは、いつものニコニコとした顔で笑ってくれていた。
「美波くん…」
「おかえり」
“おかえり”
この言葉は、すぅっと胸に染みていった。

