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「うー…」




翌日。


私は少し前からずっと、美術室のドアの前で入る勇気が出ずにうろうろしていた。


ドアのガラスは中が見えないようになっているため、美術室の様子は分からない。


昨日入るって決めたじゃないか…!!


そう思い直し、ドアに手をかける。




「相羽さん…?」



その瞬間、私の後ろからどこか懐かしい声がした。


驚いて、ビクッと肩が上がる。


後ろを振り返ると、やはりその声の主は美波くんだった。



「み、美波くん!」



ただただ、焦る。


だって美波くんは、もうとっくに中に居るものだと思っていたからだ。


何を話せばいいのか、分からない。


だから、気がついた時には、自分でも何を言っているのか分からないほどペラペラと話し始めていた。