「だから共同制作って聞いて、志乃にも大切な人ができたんだと思ってたんだけど?」


「うん…」


「もし部活に行かない理由が大切な人と喧嘩した、とか上手くいってない、とかなら、ちゃんと行って話した方がいいよ」


「…」


「その大切な人は、志乃のこと、待ってくれてるんじゃないかな」


「え…?」


「ま、お母さんの思い過ごしかもしれないけどね〜。さ、夜ご飯作らないとっ」



お母さんは私と反対の方を向いて作業をし始めた。



「…ありがと。」



この言葉がお母さんに届いたかは分からないけど、なんとなく微笑んでいる気がした。






美波くんが、待ってくれているかもしれない。



同じ目標に向かって進んでいく、大切な人…





明日は、部活…行こうかな。


そう決意した。