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「ただいま〜…。」
「あ!志乃おかえり〜」
家につきリビングに行くと、お母さんが夕食を作っていた。
この匂いは…オムライス、かな?
「志乃最近帰ってくるの早いね」
「え、あ…うん。」
「部活は?」
「自由なの!夏休みの宿題多くてさ、さすがにそっちやらないと大変で…」
…また、嘘の言い訳を並べてしまった。
「ふーん…この前まで楽しそうだったのにね。もうすぐ大会があるんだ、って。共同制作なんだよ、って。」
「そう、だったかな?」
「うん。だから部活に入れって言ったのよ」
「…え?」
「同じ目標に向かって進んでいけるから、部活は大切な人ができやすい。だから、志乃には部活してほしかった。」
「そう、なんだ…」
大切な人、か…。
お母さんは料理の手をやめ、私の方を向いた。