キーンコーンカーンコーン




「よーし!補習終わったー!!」



私は颯爽と荷物を片付け始めた。



「おい志乃。」



悠貴が私の方へ向きを変える。



「んー?」


「お前まだ部活行かねーの?」




ピクッ



“部活”という言葉に反応して、荷物を片付ける手が止まる。


ただ、それは一瞬だけ。


すぐに何でもない風を装う。



「行かないよ〜だって自由だもん。前言ったでしょ?」


「でももうすぐ大会だって言ってたよな」


「そ、そうだよ?でも私みたいな下手っぴには関係ないし。悠貴も早く部活行きなよっ」


「ふーん……何か、志乃変わったな」


「え?」


「前は、部活楽しい!って感じで生き生きしてたのに、変わった。」


「別に…変わってないし。」


「あっそ。志乃どーせ暇なら一緒に帰ろーぜ!アイスでも食べながらさ!」


「よし!悠貴の奢りね!何時?」


「ったく…5時くらいになるかな。あ!部活の帰りに見る夕日って綺麗なんだ、見て帰ろ」



ドスッ


今度は動揺を隠しきれなかった。


バッグが地面に落ちる。