「う、わぁ…」
美波くんが私の手を柵のほうに置いてくれたのもあり、私は柵に手をかけて目の前の景色に見とれた。
赤。
オレンジ。
だけど青くて…暗い。
でもそこには光がある。
そこら辺の言葉と色では表現できないような夕焼けの空が、ただひたすらに、広がっていた。
吸い込まれるような空だった。
夕日が、私たちの住む街を赤く染める。
こんなに私たちの街は、美しかったんだ。
そして、こんな素敵な景色が、こんなにも身近にあったなんて、知らなかった。
…知らなかったんだ。
美波くんが私を見ているのに気づいてはいたが、私は何も言えないでただ目の前の景色に見とれていた。
やがて美波くんも前を見る。
私たちは、ずっとずっと、
その夕焼けが消えてしまうまで、空を見続けていた。

