しばらくして、2人ともたい焼きを食べ終えた時、
「んー、そろそろいい時間だし、目的の場所行こっか。」
と美波くんが言った。
そうだった。
うっかり、幸せすぎて忘れるところだった。
大会用の絵のモデルにする景色を見に行く。
それが目的…なんだけど、このあたりに美波くんの風景画みたいにいい場所は無い気がする。
そう思って、バスや電車代用にお金は多めに持ってきたけれど、美波くんはこの地域のことよく分からないんだよね…?
「どこ行くの?」
「このあたりにさ、お城あるじゃん?」
「あ〜毎年冬になると体育の授業で走らされるとこね…」
私達地域の学生にとってはもはや当たり前と化したお城。
観光客もよく見るけれど、身近すぎてよく分からない。
正直そんなにいいところじゃないんじゃ…?
「お城を、描くの…?」
「ううん、ちょっと違うかな。でも相羽さん絶対感動するはずだから。とにかく行こ?」
美波くんは鼻歌まで歌いながら楽しそうに向かう。
私も、とにかく美波くんを信じてついていってみることにした。

