「相羽さん!」



と私を呼ぶ声がした。


声のした方を見ると、美波くんがニコニコと微笑んで手を振りながらこっちに来ていた。


え、え…?


美波くんの服装は、カーキ色の服に銀色のネックレスをつけ、黒いズボンでバランスを取っている。


シンプルに、かっこよかった。



「相羽さん?」


「え、あ!こ、こんにちは!」


「こんにちは笑」



フリーズした直後で思わずテンパってしまった私に、美波くんはクシャっとした笑みを見せる。



「待った?」


「ううん!全然!」



本当は緊張して30分前に来てしまってました…


でもこーいうの恋人っぽいな。



「そっか、よかった。まだ少し早いから寄り道しよっか?」


「う、うん」



美波くんは大通りのある方へ歩き出した。


そして、ついてきていない私の方を振り返って「相羽さん!早く!」と手招きをした。



やばい。


私今ものすごく、幸せ…



顔がニヤつくのを抑えて、「うん!」と美波くんのところへ駆け出した。