「じゃあ…自己紹介してもらおうかしら。クラス順で、同じクラスの人がいる場合は出席番号順ね。じゃあ…相羽さんから」
顧問の若い女の先生がにこやかにそう言った。
私はこういう時、本当に自分の名前が嫌になる。
今までずっと、出席番号は1番か2番…まぁどちらにせよ、とにかく早かった。
今私は、1番である。……1組の。
なんてついてないんだろう。
そう思っても今更クラスが変えられるわけでもないし、潔く諦めて1歩前にでる。
「1年1組の相羽志乃です。自分なりに精一杯頑張ろうと思います。よろしくお願いします。」
適当に言い終えた私は、拍手の中後ろに下がる。
何かの本で読んだことがある。
"自分なり"はダメだった時の保険だ、と。
本当にその通りだよ。
だって、実際私は、今保険をかけたんだから。
納得のいく絵が描けなかった時の。