「…以上が、今年この美術部に入部する1年生です。自分自身で誇れる作品を描けるように頑張りましょう。」


「「はい。」」



ところどころ絵の具で汚れた机。


棚の上には、先輩方の描いてきた絵。


窓の外から聞こえる運動部の声。


黒板の前に並んで、顧問の先生と先輩方と向かい合う…私達新1年生。



運動部はえらいし、楽器も吹けないから吹奏楽は無理だし、歌もびみょーだから合唱も無理。他の文化部は…何かぱっとしない。


消去法で選んだこの美術部に入部した私、相羽志乃(アイバシノ)。


私は別に帰宅部でよかったのに、親は「何かの部活には入りなさい」だなんて。


入ったからには、疎かにはしたくないけど。


まぁ…絵を描くのは嫌いじゃないし、ね。