私はそれを聞く度に顔がひきつる。


本当のコイツを知ったらそんなこと言えなくなるに違いない。


現にさっきの言葉には優しさの欠片もない。


私からすれば美波くんのほうが優しくてかっこよくて…



「おーい?戻ってこーい」



って!私何考えてんだろ!


美波くんはただの部活仲間であって、仲間としてそう思っただけで…



バコッ



「痛っ!ちょっと悠貴いきなり何すんのよ!」



私は筆箱で思いっきり叩かれた頭を抑える。



「志乃が自分の世界入ってっからだろ?今日も行くのか?」


「当たり前でしょ。部活だもん。悠貴もサッカー早く行きなよ。」


「美術部ってそんな忙しいっけ?俺友達から活動自由って聞いてたんだけど」


「自由だよ?私が毎日行ってるだけ〜」