キーンコーンカーンコーン



時間はあっという間に過ぎ、だんだん暑くなってきて、制服も冬用から夏用に衣替えをした6月後半。


今日の最後の授業を終えた先生が、服をパタパタさせながら教室を出ていった。


と同時に、私はカバンに持って帰るものを急いで詰め込む。


向かう先は、美術室。


あの日以来ずっと続いている、私の習慣なのだ。


活動はいつも自由な美術部で、先輩や他の1年生は来たり来なかったりだけど、私と美波くんは本当に毎日絵を描き続けている。


美波くんとも気軽に話せるぐらいになり、放課後の部活は学校にいる上で私の1番の楽しみといっても過言じゃない。



「何ニヤついてんだよ。気持ち悪っ」



急に聞こえたその声で、ふと我に返る。


前の席のソイツが横向きに座って私の方を見ている。


真壁悠貴(マカベユウキ)。


私の幼なじみ、って言うか腐れ縁って言うか?


とにかく小学生の時からずっと一緒。


イケメンで何でもできて優しくて最高。


…これが周りの評価。