僕は君に夏をあげたかった。

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7月が始まっても、私には友達がいなかった。

クラスではときどき私を見ながらヒソヒソ何かを話しているのがわかる。

全く友達のいない私をバカにしているのだろうか。


家ではあずささんと上手くやれず、お父さんはそんな私を叱る。

『新しいお母さんと仲良くしなさい』と言われるたび、あれほど好きだったお父さんのことも嫌で仕方なくなってしまう。


苦しかった。

家にいても学校にいても

苦しくて苦しくて、息がつまりそうだった。


そして

そんなある日、私の日常が崩壊する決定的な出来事が起こる。