病室に戻って僕は何気なく鏡を見た。

だけどそこには僕の姿はなく、ただ黒髪の男の子が立っていた。

不思議に思った僕は、左右に揺れたり、頬を抓ったりしてみせるけれど、

鏡に映った男の子は、まったく同じことをしてみせる。


今度は後ろに下がったり、舌を出したりしてみせるけど、

また同じことをしてみせる。






















僕は一気に血の気が引いていくのを感じた。