「あ、麻莉ーおはよー」

教室に入ると数人の女子が寄ってきた。

「おはよー朱里」

この子の名前は朱里か・・・覚えておこう。

「あ、間宮君!お、おはよ!」

僕に気付いた朱里は顔を赤らめながら言う。

なるほど、朱里は弘人君が好きなのか。

「おはよ。」

僕が適当に返すと数人の女子達が黄色い声を上げて朱里と麻莉ちゃんと共に去っていく。

悪くないな。

僕はモテるという実感に浸ってニヤける。

弘人君は毎日こんな感じだったのか・・・。

「じゃ、またね。弘人君!」

麻莉ちゃんがまたとびっきりの笑顔で僕に言う。

朱里も可愛いけど、やっぱり麻莉ちゃんは飛び抜けて可愛い。

僕は弘人君の席を探して席に着く。

そして忘れないようにさっきのメモを書く。

【朱里】

・麻莉ちゃんの友達
・弘人君が好き

・・・っと。

「なーに書いてんのっ!」

書き終わったところでいきなり誰かに肩を叩かれ、急いでメモを隠す。

肩に置かれた手の先には満面の笑みで僕を見る男の子。

「あ、今隠した!何それー隠されると気になるー!」

中学男子とは思えない童顔に甘いしゃべり方。

こいつ・・・誰だろ・・・?