制服に着替えてもう一回リビングに戻ると、空腹を突き刺す良い匂いが充満していた。

「ハル…」

いったいこの短時間になにがあったんだろ…

「ほら。早く食べて。行こ?」
「うん…」

椅子に座った。

「いただきます。」

トーストがサクッといい音を立てた。トーストの上に乗ってる目玉焼きの黄身がはじけて、どろっと私の指に触れた。

「もう。帆波ってば。」

ハルは、ティッシュを差し出してくれた。

「あ、ありがとう。」
「そのまま食べて。髪、やってあげる。」

…嬉しいけど。幼なじみの男の子に髪の毛やってもらうって……なんか悔しい。私、女の子らしくないな

嬉しいけど、ちょっぴり胸がモヤモヤした。