「あ、そうだ。レポート…」

翔貴先輩に、文化祭で使うレポートを提出しないといけない。
なんでこんな重要なこと忘れてたんだろ…先輩に、朝出すって言っちゃってたのに…
私は立ち上がった。

「どっか用事?」

竜也くんは優しく聞いてくれた。

「ついて行っても良い?」

私の顔を覗き込んできた。私は顔を下げた。見られないように。

「いま、頷いてくれた?」

私は首を横にふった。だって、クラスと部活って、やっぱり違うから。
私、わがままなんだろうけど。

「分かった。ごめんね、ヘンなこと言って…」

竜也くんはそう言って私の元を離れていった。

あまいはずのコーヒー牛乳が、少し苦かった。