「なーに話してんの?俺も混ぜてよ。」

竜也くんの声がした。

「べつにぃ。あんたには関係無いしぃ」

ナナはいーっと竜也に向かって唇を尖らせた。

「えー?ダメ?笹木さん。」
「わ、私は別に…」
「あ、ほな。私、ちょっと用事思い出しちゃった!」

ナナはそう言って、私が返事をするまえに行っちゃった……そんな。
取り残された。目の前には竜也くん。
た、竜也くんなんて本人には言えないけど…

「笹木さん?」
「え?あ、ああ…ごめん。」
「謝らなくて良いのに。」

竜也くんは笑った。

「ごめん、千坂くん。」

千坂竜也。それが彼の本名…