手と手を握って手揺らして…

「夜のお日様 紅く揺れ
ゆかたの女子がするすると
さすれば月が黄金色

そのとき扉が開かれて
バケモノ様が現れる
世の中リンリン
バケモノ様が鐘鳴らす」

お兄ちゃんと、手と手を握って手揺らして。私は歌っていた。

「帆波。」
「お兄ちゃん。アレ!バケモノ様!」
「そうだな。でも、あそこにいるのは…」
「バケモノ様、笑った!」
「帆波。今はお兄ちゃんと一緒だけどな…」

あ。始まった。

「満月の夜、絶対に一人で空を見てはいけないよ」