愛されたい、だけなのに





「…柳先生は、懲戒免職にはならないんですか?」

涙を拭いながら、校長先生を見た。


「1ヶ月前には退職願いを出されているので、依願退職扱いにするつもりです。しかし…教育委員会や保護者の方々の反応によっては、処分が出てしまうかもしれません」

処分ー…


「そんなことにならないよう、私からもー…」


コンコン。


「!」


校長先生の話の途中で、校長室のドアをノックする音が聞こえた。



「すいません、校長」

ドアを開けたのは、学年主任。


「まだ、話してる最中ですよ」

校長先生がソファーから立ち上がり、ドアの元まで行く。



「実は…教育委員会とPTAの方々がお見えになっていまして…」


「何!?早くないか…今日、情報が漏れたわけじゃなかったのか?」


こそこそ話してるようだが、何故かよく聞こえる。


「…」


教育委員会とPTAって…




柳先生の処分を決める人たちだよね?





今日、今ここでー…