愛されたい、だけなのに







蘭の後を付いて行くと、職員室の前に着いた。


「あれ、榊原じゃん!あんたも呼ばれたの?」


職員室の前の廊下には、榊原が立っていた。


「あぁ。圭吾に帰る途中で呼び止められた。今日はもう帰って寝たかったのに」


欠伸しながら答える、榊原。


「あ…榊原、ごめん」


私のせいで、寝不足だー…

「大丈夫、授業中に寝すぎて眠いだけだから」

「え…」


それも、それでー…

「あんた、それで呼び出しくらったんじゃないの?」


呆れ顔で言う、蘭。


「蘭と違って俺は、授業中寝ててもテストの点数いいからいいの」

「何その言い方!?まるで私がバカみたいな言い方!!」

「だって俺より成績悪いだろ?赤点がないだけマシだな」

「はぁ!???榊原、あんたね!!!」



蘭と榊原の口喧嘩がヒートアップしそうだった時ー…



「おい!何、廊下で喧嘩してんだ?お前たちは大人しく待つってこともできないのか?」




柳先生が職員室から出てきた。



ドキン!


…あれー…



「櫻井!」


ドキン!


「…はい」

名前を呼ばれ、柳先生と目が合った。


ドキン!


「大丈夫か?」


「はい」

「そうか。良かった」

ドキン!


ふっと笑いながら、柳先生が言った。



ドキン、ドキン。


「っ…」


何で私、こんなにドキドキしてるの?



「じゃあ、こっち付いて来て」



そう言うと、柳先生は職員室の奥へと向かって行く。


その後を、3人で付いて行く。