愛されたい、だけなのに








「風呂場に忘れ物はあったの?」

「え!?あ…うん」


落ち着きを取り戻し、ゆっくり榊原と並んで歩いて部屋に向かう。


本当は、忘れ物なんかないけどー…


「…なぁ、櫻井」

「?」

「お前、本当に圭吾と付き合ってないの?」

「…どうして?」

榊原と二人になると、いつもこの質問。

「いや…蘭と二人で部屋に戻ったら、圭吾に"櫻井は?"って聞かれて…"忘れ物とりに風呂場行った"って言ったら、"何で1人で行かした?すぐに探しに行け!"ってめっちゃ怒り口調で言われたから」

「…」

柳先生がー…?

「まぁ、探しに来て正解だったけどな。良かったよ、変な奴らに連れて行かれなくて」

「…うん」



また、見えないところで柳先生に助けてもらった。


「本当、すごいなぁ…」


柳先生には、何でも見えてるみたいー…



「…じゃあ、質問変えてもいい?」

「え?」


「櫻井は、圭吾のこと好きなの?」




「…え?」



ドクン!







私がー…




柳先生を好き?