星屑の小さな約束 【停滞中】

まだ頭に残ってる。


悠真の手の感触…その温かさ。


悠真はあたしが落ち込んでると、決まって頭をぽんぽんってしてくれる。


その習慣は、恥ずかしくもあるけど、やっぱりうれしいんだ。


「って、あれ…それって……」


ちょっと待って…?


はっとして顔を上げる。


視線だけでたどってみれば、友達と楽しそうに話している悠真がふっとこちらを見た。


「っ…」


なんでもないよ、っていう風にふるふると首を振れば、悠真はそっと視線を外した。


まだドキドキと言っている胸に手を置きながら、考える。


あたし、落ち込んでるなんて一言も言ってないよね?


なのに、なんで気づいてくれたの?


なんで……


心の中で問いかけたって、答えが返ってくるわけないことはわかってる。


それでも…


それを口にするだけの勇気は、どうしても出なかったんだ…