一緒に登校していた日々を思い出して、なんか……


懐かしいな、とか思って。


久しぶりに、隣を歩きたくなったんだ。


よし、今日は俺が迎えに行くか……


そう思ったときだった。


「はっ!?」


勢いよく柚の家の玄関が開いて、そこから出てきた人に驚く。


え、嘘だろ……あいつ、こんな早い時間に家出てたのか?


いや、そんなことよりも……



なんとなく、あいつが泣きそうな顔をしているように見えた。



これが幻覚でないのなら…





「母さん、朝飯いいわっ…!」

「えっ、悠真っ…?急にどうし…」




追いかけるしかねぇだろ?

ほっとけねぇっつーの…!


母さんの声に答える余裕もなく、家を飛び出した。




ある願いを、心の中で叫びながら。