今、家にいるのはあたし一人。


鈴はうちの高校の一年生は強制参加の、泊まり込み補習授業で今日は帰ってこない。


あたしも去年行ったけれど、女子は女子部屋で友達と朝方まで語り合ったりして、合宿みたいですごく楽しかった。


「今頃、鈴は青春中かぁ…」


鈴をうらやましく思い、独り言をつぶやく。




——時刻は6時20分。


早ければ、お父さんがもうすぐ帰ってくるだろう。


お母さんの前では強がったけど、やっぱり一人は不安だ。


久しぶりで感覚が鈍っていたけれど、あたしは留守番が苦手だった。


とりあえず何かしようと思い、目的もなくテレビをつける。


寂しさから気を紛らわせるため、いつもより大きめの音で。