星屑の小さな約束 【停滞中】

「さっきのは……ズルい………」


部屋のドアを閉め、背中を預けたまま天井に向かってぼんやりと呟く。


そのまま、玄関前からため込んでいたものを吐き出すように大きなため息をつく。


「っ、はぁぁあ……」



…あんなかっこいいこと言わなくったっていいじゃないか…


そんなことを思わずにはいられないくらい、さっきのはかっこよかった。


いや、こんなにも心に響いているのはただかっこよかっただけじゃない。




予想もしてなかったタイミングと、優しい視線と、




ずっとあたしが探してた言葉。





てっきり悠真はあたしの話なんか、忘れちゃってるのかと思ってたのに。


覚えてたんだね…


あたしが発した、たった一つの、小さなSOS。


それを君は、いとも簡単に察してくれた。


あたしがほしい言葉を涼しい表情で言っちゃう悠真って、なに?エスパー?



でも、悠真のそういうさりげない優しさに小さいころから助けられてた。



悠真のそういうところを、あたしは好きになったのかもしれないなぁ…