星屑の小さな約束 【停滞中】

「いや、髪の毛」


「う、ん…？」


「なんか、ぼさって…なってた」


「…は、はぁ」




………って、それだけかーーっい！！


ちょっと期待しちゃったじゃないか、コノヤロウ。


あたしは目を白黒させた。


ほんと、悠真はいつもこうだ。


期待させるだけさせといて、実は大したことないっていうね。


もういいもん。慣れましたもん。別に………なんてことないし……



「はいはいっ、じゃーねっ」


期待したあたしがバカでした、かな。



「あ、あと」


「も、なぁに？またどっか変だったりするの？」


女子力ない女だと思われたくないっていう気持ちもあったけど、悠真に期待した自分が恥ずかしくってかわいくない返事をしてしまう。






「柚は、いていいんだからな」





じゃーまた、なんて言ってさっさと家に帰っていった悠真に残されたあたし。





開いた口がふさがらない。




……思考回路が、一瞬にして停止してしまった。