「だから、どうでもいいわけないだろ」
悠真はそっと流れるような動作で、あたしの手を引いてもう一度ブランコに座らせた。
あたしはというと、さっき言われた言葉にただ瞬きを繰り返すだけ。
息をのむあたしに、悠真は平然とさっきの言葉を繰り返した。
「どうでもいいわけ、ないだろ」
じわりじわりとあたたかいものがあたしの中に広がっていく。
その言葉はきっと、あたしがずっと欲しかった言葉なんだろう。
だっていま、すごく嬉しいから。
「存在価値とか、そんなどうでもいいこと聞くなよ」
顔を上げると、そこには悠真の後ろ姿があって。
その背中に「うん…」と小さくつぶやいてみた。
返事は返ってこないけれど、その代わりに耳がほんのりと赤くなっていた。
心のなかでは、柄にもないこと言ったかな…とか思ってるんじゃないかな。
小さな変化で気持ちに気づけるのは、幼なじみ歴17年のスキルがあるからだろう。
いや、悠真が分かりやすすぎるのかも。
照れてるのがまるわかりな態度の悠真が少しかわいく見えた。

