「うん?どうかした?」


体を折るようにして悠真を覗き込む。


「って、えっ!……ちょっ」


いきなり、さっきまで緩んでいた悠真の手にぐっと引っ張られて、そのままそばにあったベンチに座らされていた。


「な、なに…?」

「だから、話聞くって」

「え?」


隣に座った悠真は、またさっきと同じ強い瞳であたしを見ていた。


「っ……だ、だからっ、その話はもぉ終わりだって!」


負けじと言い返したあたしに、悠真は少し面倒くさそうに同じ言葉を繰り返す。


「だから抱え込むなって」



面倒くさそうにするんなら、聞かなければいいのに…


そう思いつつも胸がじん…とするのは、君の言葉がすごく心強いからだ。




ごめん




黙ることしかできなくなったあたしに、悠真がそう言った。


なんで悠真が謝るの?


悠真を見ようとしたけれど、視界がなんでかボヤけてくる。


そのとき、気がついた。頬が濡れてる…


「あれ、……な、んで」





なんであたし、泣いてるんだろう。