「お前さ、なんかあると絶対一人で抱え込むよな」


さっきまでとは違う声。少し優しく感じる。


でも、言われた言葉は的を得ていて、チリチリとした痛みが心臓に走る。


そのともりかもしれないな、と。


どうやらあたしは性格上、人に頼ることが苦手なようだった。


なんて言えばいいかわからない。
相手に迷惑をかけてしまうのがいや。


一人でぐるぐる考えて、結局だれにも言えないまま、事を流していってしまうことが多いのは事実だった。



「そんで、そーやって考えすぎるとこ。直したほうがいーぜ」


「っ……!」


まるで心の中まで見透かされてるよう。


びしっと指をさされたまま、返す言葉もなくし目を泳がせた。




「うん、たしかに……その通り、だと思…う」


沈黙のあと、あたしは小さな声で答えた。


「ん」


短い返事が返ってくると同時に、捕まれていた腕の力が弱まった。


もうあたしが逃げないと思ったのだろうか。


そんなことを思いながら視線の端で捉えた悠真は、何かを考え込んでいる風に見えた。