「さっ、この話は終ーわりっ!でも、連れ出してくれてありがと」


握られている手に、ぎゅっと力が込められたのが分かった。


そこから伝わってくる熱にドキッとして。でも自分の気持ちに気づかれたくないあたしはぐっとうつむいた。


手を捕まれているから動くことも許されなくて。無意識にふわっと宙を仰いだ。



お日様が、まぶしい……



せっかくの休日なのに、こんな暗い気持ちに、それも悠真といるときになりたくなかったな…






「そうやって逃げんの?これからも」



「…えっ、?」





思わず聞き返してしまった。驚いたから。


悠真は、重い話とかそういうの苦手だと思ってた。


だから、どうせ話したって気まずそうな顔をされるか、へらっと笑って流されるかだと思ってたのに。


悠真があたしの話を聞こうとしてくれてるのは、すごく嬉しい。


でも……


悠真に話してどうするの?頭の中でそうささやく自分がいる。


どうせ話したって、現実は変わらない。不安からは、逃げられない。


それなら、話さないほうがいいに決まって……



「はい、ストップ」