「そういえば、お姉ちゃんは誰と夏祭り行ってたの~?まさか、彼氏っ?」


ぼうっと悠真のりんご飴を見ていたけれど、鈴の言葉に一気に現実に引き戻された。


「えっ、ま、まさか!彼氏なんていないよ?……」


『鈴こそ誰と行ってたの?』


飲み込んだ言葉。


聞かなくったって分かりきってることだもんね。


そう思っていたときだった。


「鈴は悠真と行ったんだよー?ねっ?」


「あ、あぁ」


無邪気に笑顔を浮かべる鈴に悪気がないのはわかってる。


悪いのは早く行動しなかった自分だってこともわかってる。


だけど……、


この辛い気持ちをおさえる方法を、あたしは知らない……