江戸の虎が溺愛する者




それぞれの木板に料理名が書かれたものを眺め、雪に注文する






「卵焼きに野菜の煮つけ、玄米、うなぎの蒲焼き…だけでいいや」






迷わずあっさりと決めれた





どちらかというと洋食派だからな〜…和食で食べれるものって限られるんだよな





まあそんなこと言ってたらここの時代で生きていけないけど






「わかりました!少々お待ちくださいね」






雪は注文された料理名を紙にメモし、台所で料理を作っている女将さんに紙を渡した





「おーい雪ちゃん、おいら達にも注文とってくれや〜」






「あ、はーい!」





雪は元気に向こうにいる男達の方へと小走りで向かった






…ん?





よく見れば、店内の男のほとんどは雪に目線をちらつかせている





そして俺はハッとし思い出した





そういやこの前、隊士達が食事処の時雨について話していたっけ





…ここに来る男の客人はほとんど雪目当てで来るそうな





浪士達に狙われる理由がわかるぐらい、雪はとても可愛らしい外見をしている





現代でもきっと敵うんじゃないか?






「お待たせしました!どうぞごゆっくり召し上がってください」





目の前に雪の手によって料理が並べられ、美味しそうな匂いが香る






「いただきます」







箸を取り、料理を少しずつ口の中に入れていく






…美味い、ここの店の料理だったら何でも食べれそうだ





夢中になりながら料理を貪る





「……。」






雪が隣でずっと俺のことを見つめているのだが、気のせいだろうか?





もんのすごく食いづらい…!