江戸の虎が溺愛する者






もう我慢ならねーよ!






沖田さんからハルを引き剝がし、後ろから抱きしめるように腕を回した







「えっ、ちょっと!?」







鼻の周りにハルの甘い匂いが漂う





それを見る土方さんは眉に皺を寄せる





…沖田さんは悪魔みたいな笑みを浮かべてるがな!






「総司、"バカ男2人が馬の骨にされる"ってのはどういう意味だ?」





土方さんは面倒くさそうに聞いた





沖田さんはニヤッと意地悪く笑う






ドSな男が好みの女から見たらたまんないだろうな






「虎吉と土方さんに決まってるじゃないですか」






「んなっ…!」





口から情けない声が出た






ば、バレてた!?バレてたの俺!?






確かに元の時代でクラスの男奴らがハルに近寄るのを防ぐために…






…まあ色々やってたけどよ、ここの時代に来てから人前でそんな行動したことねーよ!?今回が初めてだぞ!?







「ばっ馬鹿野郎、それは虎吉だけだ」





「はい!?俺!?」






土方さんは誤魔化すように串刺し醤油団子を頬張り始める






よくよく見ると、頬はほんのり赤く染まっていた






…バレバレじゃんかよ、土方さん






好きなんですね、ハルのことが