江戸の虎が溺愛する者




…………





土方さんとハル、仲良すぎね?俺の知らないところで何があったんだ?ん?






土方さんの視線を感じ、見て目があったと思えば話しかけてきたハルの方へと視線を変更






…隠し事か、隠し事なのか!?






ハルもハルで土方さんに夢中で俺には興味ないっぽいし






あのダル気の土方さんもハルに夢中で…







はたから見たらカップルだ





「…っ」





チクリッと胸に痛みが走る






まるで針に心臓を刺されたような痛み






それでも、俺は…土方さんを恨めしいとは思わない。思えない






「そういえば、沖田さんって標準語と江戸のなまりが混ざってますよね」






気にしてはいけない





あの2人に、気がとられてはいけない…!






「7つの時に標準語を喋るように教育されたんですわ。7年間ずっとなまってきたのに急に標準語なんて…おかげで今じゃ混ざっちゃいましたよ」





そう言い、沖田さんは片手に持っていた醤油団子の串刺しを食べ尽くす






「そんなことがあったんですね…」






この時代の教育も大変なんだな〜






「…あ、沖田さん!袖に甘たれが付いてます」





ハルが慌てて沖田さんの細くてたくましい腕を掴み、近くの卓袱台にある水に濡れた布を取り袖を拭いた






いいな…羨ましい…






「ありがとうございます。…ご丁寧ですね」






そう言った瞬間、袖を拭くハルに顔を近づけ鼻と鼻を合わせた







「…っんな!?」







な、なんだと!?







土方さんも沖田さんの大胆な行動にあんぐりしている






「お、沖田さん!?顔が近いです…っ」







「お礼ですよ、お・れ・い。赤くなった顔はそそりますね…こりゃバカ男2人が馬の骨にされるのがわかりますわ」






おいおい沖田さん、そそるって言葉を美少年が使っちゃ…






「って!!!!沖田さんも土方さんもハルに近すぎです!!!離れてくださいよ!!!」