江戸の虎が溺愛する者






…いや、待て!滅茶苦茶怖い!怖いんですけど!





ドアを開けた瞬間、隙間から「こんにちはー」されたら死ぬ。ショック死できる自信あるぞ!






早く早く…っと震えながら急かすこのバカ2人はどうしようもないと思う






ドアノブを握る手には手汗が滲む






あああ!もう、どうにでもなれ!!!







父さん、母さん….親孝行できなくてごめん






バタンッ!






思いっきりドアを勢いよく開けたその瞬間、真っ暗な部屋の中でもわかるぐらい影がにゅっと動いた






ま、ままままままさかっ…!






背中に悪寒が伝う






「ギィィヤアアアァァァァァァアア!!!」






無理無理無理無理!怖すぎだってえええええ!







俺は涙目になりながら180°に回れ右して走る






「「イヤァァァァァアアアア!!!」」






木に張り付くコアラのように自分に抱き着きついている沖田さんを無視し、俺になのかそれと得体の知れない俺の背後に向かってなのかわからんが、悲鳴と共に刀を構えた






「ちょ、俺はまだ生きてますってー!!!」





頼むから刀を納めてくれ!土方さん!